蒼く滲んだ 宵の帳に
揺れる面影 指先ひとつ
鈴の音だけが 道を照らして
還れぬ夢へ 誘ってゆく
白い吐息は 月に溶けて
言えない言葉 霧へ消えた
触れれば壊れる 玻璃(はり)の記憶が
胸の奥で まだ疼く
ねぇ 此処は何処
現(うつつ)か幻か
遠い呼び声に
心だけ攫われて
月よ 月よ 幽世を照らして
失くした名前を そっと結んで
咲いて 散って 輪廻の彼方
貴方の影を 探している
揺れて 揺れて 千夜の狭間で
涙は銀に 姿を変える
もしもこの手が 届くのならば
永久(とわ)に眠ってもいい
朽ちた鳥居に 影が重なり
狐火ひとつ 微笑んでいた
遠い記憶の 欠片集めて
壊れた祈りを 抱きしめる
ねぇ その声は
未来か過去なの
触れた瞬間に
世界まで霞んでく
月よ 月よ 幽世を繋いで
消えゆく心を そっと包んで
咲いて 散って 命の彼方
貴方の温度 覚えている
揺れて 揺れて 千夜の狭間で
願いは風に 姿を変える
もしもこの夢 醒めないならば
永久に迷ってもいい
鈴が鳴る
境界の向こう
名前を呼ぶその声だけが
私を生かしていた
月よ 月よ 幽世を照らして
離れた運命(さだめ)を もう一度結んで
咲いて 散って 輪廻を越えて
貴方のもとへ 還ってゆく
揺れて 揺れて 千夜の狭間で
涙は星に 姿を変える
最後の夜が 訪れても
永久に 愛している