歌詞
ある時国に疫病が来て
王は精霊たちに助けを求めた
民を救ってほしいと願う王に
精霊たちは嘲笑うように囁いた
ならばお前が我らの奴隷になれ
幾多の戦争や毒人が殺した大地を蘇らせるまで働き続けろ
王は静かにその言葉を飲み込み
王冠を置いて荒野へと向かった
姿は人間の王のまま
絹の衣が泥にまみれて裂けてゆく
百一回の朝も千年の夜も
王はただ黙って土を掘り起こした
岩を砕き毒を抜き血潮を混ぜて
引きちぎられた大地をその手で繋いだ
長い時が流れる中で
王は次第に大地に対する
確かな見識と判断力を身につけた
どこを開けば水が喜び
どの石をどかせば芽吹くのかを
笑っていた精霊たちはいつしか黙り
その揺るぎない背中にひれ伏した
王はもう奴隷ではなかった
大地の理を掴む神となっていた
最後の一振りで花が咲き
長い長い契約が終わった
多くの精霊がその場に跪き
新たな守護の神を称えた
かつての国を振り返れば
都はすでに伝説の彼方
けれど王が耕したこの大地で
名もなき民が今日も笑っている
ぼろぼろになった王の姿
それは誰よりも尊い証
王は今も緑の中で
静かにこの国を守っている